
2025年9月23日現在、韓国では秋夕(チュソク)連休の真っ只中に、仁川国際空港をはじめ全国15空港で大規模なストライキが実施されています。
「韓国旅行は大丈夫?」
「日本からのフライトは止まるの?」
「LCCは影響を受けやすい?」
など上記のように旅行を控えた方の不安の声が広がっています。
今回の空港ストライキでは、清掃や保安検査、電気設備、庁舎管理など空港運営の基幹業務スタッフ約15,000人が参加。フライト遅延や手続きの混雑といった影響が避けられず、旅行者にとっては出入国のスケジュールに直結する問題です。
本記事では、韓国空港ストライキ2025の最新状況と影響、日本発着便やLCCへの影響、旅行前に準備しておくべき対策、現地での過ごし方の注意点を整理しました。渡航予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
韓国空港ストライキの概要

- 開始日:2025年9月19日~(要求が通らなければ10月12日頃まで継続の可能性あり)
- 対象空港:
- 仁川国際空港(ICN)
- 金浦国際空港(GMP)
- 済州国際空港(CJU)
- 釜山金海国際空港(PUS)
- その他全国15の空港
- 参加人数:約15,000人(清掃、保安検査、電気設備、庁舎管理など空港基幹業務スタッフ)
- 主な要求:労働条件の改善(夜勤過重労働の是正、賃金引き上げ、人員増強)
労働組合は、2025年だけで労災事故7件・死亡者5名が発生していることを強調しており、要求が受け入れられない場合は秋夕連休のピーク(10月3日~9日)にも拡大・長期化する見通しです。
※参照情報:金浦空港、仁川空港も対象…韓国国内15ヶ所の空港で本日からストライキに突入
今回のストライキの中心となっているのは、空港子会社に所属する従業員たちです。彼らは普段、滑走路の維持管理や消防、電力施設の運営といった空港の安全を支える基幹業務を担っています。労働組合が掲げる主な要求は以下の3点です。
- 勤務体系の改善 – 仁川空港の現行「3交代2班制」を「4交代2班制」へと改め、過重労働を軽減すること
- 人員の増強 – 進行中の「仁川空港第4期拡張計画」に対応できる十分な人員を確保すること
- 待遇格差の是正 – 各地の空港子会社が長年直面してきた不利な労働条件を改善すること
全国空港労働組合のキム・ヘンギ書記長は現場の厳しい状況について次のように訴えています。
「交代勤務の穴を埋める後任がいない限り、従業員は給与の減額を恐れて休むことすらできない。この結果、疲労が蓄積し安全リスクが高まっているにもかかわらず、責任はすべて子会社に押し付けられている」
空港が閉鎖されて韓国に行けなくなるの?
韓国には「労働組合法(Trade Union and Labor Relations Adjustment Act)」という法律があり、その第42条~第46条には「必須維持業務制度」が定められています。この制度では、ストライキが認められていても、国民の生命や安全、生活に直結する分野は完全に止めることができません。代表的な業務は以下の通りです。
- 航空運送(空港運営を含む)
- 鉄道・地下鉄
- 医療
- 水道・電気・ガス
つまり、今回の空港ストライキでも、空の安全や基本的な運航は法律で守られています。労働組合と空港側が協議し、「最低限どのくらいの人員を配置するか」を取り決めるため、フライトがすべて止まることはありません。
ストライキはあくまで労働者の権利行使であり、テロ行為ではありません。制度の仕組みによって、旅行者の安全は確保され、飛行機は一定の割合で運航され続けるのです。
韓国空港ストライキの現在の影響と利用者の声
- 9/23現在では、フライトの大規模運休は発生していないが、保安検査・搭乗・清掃・駐車場利用での遅延・混雑が目立つ状況です。
- 9/22 13:00時点では空港送迎チームより、ストライキの影響は無いと共有がございました。ただ、日本の祝日と重なるため普段よりは入出国に時間がかかる場合がございます
- ビジネス面では貨物輸送の遅れが問題視され、国際貿易にも影響が及んでいます。
実際にXで現地利用者の声を見てみると、「想像していたほど影響はない」「通常通りに搭乗できた」という投稿が見られます。「ストライキ=空港麻痺」と勘違いをしてしまう方もいるかと思いますが、韓国の法律により航空運送は必須維持業務に指定されているため、全面的な運休や閉鎖は起こりません。
現場の声からも分かるように、旅行者が感じる影響は主に手続きや検査の待ち時間程度にとどまっているケースが多いようです。
入国・出国の前にやるべき準備リスト
1. 最新情報の確認
- 公式情報源:仁川国際空港・金浦空港の公式サイト、日本大使館・領事館の注意喚起
- 現在の入出国の混雑具合はこちらのリンクより確認できます。
https://www.airport.kr/ap_ja/1794/subview.do
- 現在の入出国の混雑具合はこちらのリンクより確認できます。
- SNS/X:現地利用者のリアルタイム投稿で待ち時間や混雑度をチェック
2. 空港到着は通常より早めに
- 3時間前には空港に到着することを目安に行動いただくことをおすすめいたします。
3. スマートパス(優先レーン)の活用【おすすめ】
- 仁川国際空港では、事前登録で利用できる「スマートパス」を活用することで、混雑している一般レーンを避け、顔認証でスムーズに搭乗口へ進めます。
- 特に今回のストライキでは保安検査の待ち時間が読めないため、スマートパス利用が最も有効な混雑回避策となります。
- 利用条件:出発前にパスポートと顔写真を登録(現地端末またはアプリから申請可能:https://www.airport.kr/ap_ja/1800/subview.do)
もし不明点やもっと詳細を知りたいという方は、下記記事にてスマートパスの登録手順や注意点について網羅的に解説していますので合わせてご確認ください。
韓国現地での過ごし方の注意点
韓国空港ストライキ2025は、フライトや空港での混雑だけでなく、現地での移動や観光にも影響が及ぶ可能性があります。旅行を快適に過ごすために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
交通機関の混雑
秋夕(チュソク)連休中は例年、KTX(韓国高速鉄道)や高速道路が大変混雑します。今年は空港ストライキが重なっているため、空港からソウル市内や地方都市への移動は、通常よりも時間がかかることを前提に行動計画を立てることが重要です。
リムジンバスや地下鉄といった公共交通機関も利用者が集中しやすいため、混雑が予想されます。そのため、タクシー配車アプリやライドシェアサービスなど、代替の移動手段を事前に把握しておきましょう。
観光施設・ショッピング
韓国空港ストライキの影響は空港内にとどまらず、観光施設やショッピングスポットにも及ぶ可能性もあります。特に秋夕(チュソク)の時期は国内旅行者も増えるため、有名観光地や免税店では通常以上の混雑が見込まれます。
さらに、ストライキによるスタッフ不足が重なると、入場や会計の待ち時間が長くなるケースも想定されます。旅行をスムーズに楽しむためには、訪問先の営業時間や混雑状況を事前に確認し、できるだけ時間には余裕を持って行動するようにしましょう。
また、人気レストランやカフェではピークタイムに入店が難しくなることもあるため、予約が可能な店舗は事前に手配しておくと安心です。
支払い・通信環境の確保
空港ストライキによるフライト遅延やスケジュール変更の可能性を考えると、韓国滞在中は支払い手段と通信環境を複数確保しておくことが重要です。現金やT-moneyカードといった交通系ICカードを準備しておけば、鉄道やバスの利用だけでなく、小規模店舗や屋台でもスムーズに支払いができます。
加えて、クレジットカードやモバイル決済も併用できるようにしておくと安心です。通信面では、モバイルWi-FiルーターやeSIMを活用することで、空港や市内でも常に最新の運航情報や混雑状況を確認できます。
複数の決済手段と安定した通信環境を確保しておくことが、ストライキの影響下でも安心して旅行を続けるための大切なポイントになります。
今後の展望
韓国 ストライキは交渉の進展次第で、
- 短縮・終了する可能性
- 秋夕連休のピークに再拡大する可能性
- 無期限ストへ発展する可能性
いずれも排除できません。旅行者にとっては「情報収集」と「時間的余裕」が最大の防御策です。




















